▼パス(もしくはポゼッション)のはなし
サッカーの練習で、試合で、頻繁に使われる言葉。当たり前のように使われるサッカーの技術のひとつ。
「パス」(もしくはポゼッション)
私も未就学児~小学校低学年のサッカー指導をおこなっていた頃、選手には当たり前のように「パスの練習」というものをやらせていました。どんな練習かは、具体的な内容は述べませんが、一般的な「パスの練習」という内容です。
これで私は、「失敗(※1)」をしてしまいました。
※1:失敗の定義
・選手のプレーがうまくならない
・選手がサッカーを楽しめない
今思うと、練習メニューや選手のプレーは、まったく問題がなかったのだと思います。問題があったのは、私(→コーチ)自身の、「見方」や「思考」ですね。
▼ただ「漠然と」パスの練習をさせてしまった
選手には「ではみなさん、パスの練習をしましょう!」とだけ伝え、パスの練習を行っていました。選手のウォーミングアップの目的であったり、選手の「ボールをけりたい!」という願望を満たすためであったら、私のやり方はOKだったかもしれません。
では、「サッカーの試合を行うための練習」としてはどうだったの!??という話でしたら、それはOKではない練習だったと思います。
「漠然とパスの練習をさせる」ことの、どこが問題だったのでしょうか?
▼「漠然としたパス練習」をさせると、選手はどんな気もちになる?
たとえば、の話になります。あなたがもし、ある日突然、自分が経験したことのないスポーツに興味を持ち始めたとしましょう。ここでは、「棒高跳び」とします。そこで、あなたは陸上競技の教室に出かけ、棒高跳びの練習をすることになりました。そして指導をされる先生から、「まずは『突き出し』の練習から初めてみましょう!」、「突き出しは『こう』やるんです!」とだけ説明されたとします。
お互いに大人の年齢でしたら、あなたは「ああ、これは棒高跳びで○○するときに●●するための練習だな」とイメージができ、何も疑問に思わずにスムーズに練習を行えると思います。
しかし、「なんのための練習なのか?」がイメージできない場合は、「えっ、なんでこの練習をやるの??」と疑問に思ったり、疑問に思うことからくる「不安」という気持ちにもなるかもしれません。その結果、もしあなたが「漠然としたパスの練習」をさせてしまったら、指導を受けている選手たちも、同じような(疑問や不安の)気持ちになっているかもしれません。
▼「漠然としたパス練習」をおこなうコーチは、何がいけないの?
それはずばり、「選手の『疑問』『不安』に、私(コーチ)が応えていないこと」だと思います。サッカーの練習やコーチに対して『疑問』や『不安』などを抱えた選手は、コーチや練習に対して「信頼できない」→「練習に対してのやる気が起きない」→「サッカーが上達しないor楽しめない」という悪循環に陥ってしまうのだと思います。
▼では、どうすればよかったの???
子どもたちが自らの力で、『疑問』や『不安』などを解消できる練習があれば、それをやるといいと思います。ここでは取り上げきれないですが、今はジュニア年代の『練習メニュー』や『サッカーの見方』も進化し、コーチが何も配慮しなくても子どもが楽しめ、なおかつ技術が上達する練習も多数存在します。
でも、そうした練習が見つからなかったとしても、選手⇔コーチのお互いが気分よく「パスの練習」を行える方法(考え)があります。それは、選手の『疑問』や『不安』に、コーチが親身に応えてあげることだと思います。
▼コーチ自身の『見方』や『思考』を変える
選手の疑問や不安に応える前に、まずは、「今、子どもがどんな気持ちでいるのか?」をうかがってやること、察してやることがいいかと思います。未就学児~小学校低学年の子どもの中には、「パスとはサッカーの技術のひとつ」、「パスとは、自分の味方にボールをわたすこと」ということを、すでに理解している子どももいるかと思います。でも、おそらく多数の子どもたちが、まだ理解していないかと思われます。「子どもたちはそのような状況に置かれている」ということを、まずはコーチが理解してあげることが、なによりも「よりよいトレーニング」(※2)を生み出すことになると、私は考えます。
※2:よりよいトレーニング
コーチ⇔選手が、お互いに気分よく
・サッカーが上達する練習
・サッカーが楽しめる練習 のことです
▼子どものきもちや現状を知った上で、子どもの『疑問』や『不安』にこたえる
子どものきもちや現状を知ることができたら、子どもの『疑問』や『不安』にこたえてあげると、さらに「よりよいトレーニング」(※2)を生み出すことができると思います。
子どもたちの、「パスってなに?」、「パスができるようになったら、どんないいことがあるの?」といった気持ちに丁寧に応えてあげると、子どもたちから『疑問』や『不安』の気もちが解消され、「よりよいトレーニング」になると、私は信じています。このとき、ホワイトボードや教室を用意して選手に「座学」を行えたら、「サッカー教室」のような雰囲気になってとてもいいなとも思います。しかし、そのような「サッカー教室」ができないとしても、選手たちがパス練習などを行う前や練習をしている時に、「パスってわたすことだよ」とか「パスができたら、自分の代わりに仲間に攻撃してもらえるよ」などといった声かけをするだけでも、選手たちの不安や疑問に対して、充分に応えられると思います。
▼じゃあ、「パス」って、なに??
サッカーの練習中に突然、選手たちからたずねられたら、あなたはどのように応えますでしょうか?選手が(本当の意味で)自分の頭で理解するように、応えられますでしょうか?
「オレはこたえられるよ!」と思われたかたは、ご自身の考えでお伝えされるとよいかと思います。それでも、「うまくこたえられない」、「すぐには返事できないかも」などと思われたかたには、「パスってなに??」に応えるためのヒント(説明記事)を、作成しました。
もしよろしければ、下記のリンクをごらんになってください。よろしくお願いいたします。
▼サッカーの「パス」ってなに??